昨日ありました、厚労省地域医療計画課 高山義浩先生の講演内容を紹介させて頂きます。
来月地域医療構想ガイドライン(仮)が自治体へ降りる見込みです。
H30年の大改革(国民皆保険制度に次ぐ大改革)、2025年問題に向けて
① 各病院・有床診療所が担うべき病床機能及びその病床数に関する協議
② 病床機能報告制度による情報等の共有
③ 都道府県計画(地域医療介護総合確保基金)に関する協議
④ その他の地域医療構想の達成の推進に関する協議(地域包括ケア、 人材の確保、診療科ごとの連携など
を目的に協議の場を構想地区ごと設置される見込みです
STEP1.地域の医療提供体制の現状と将来の目指すべき姿の認識共有
○ 病床機能報告制度の報告や既存の統計調査等で明らかとなる地域 の医療提供体制の現状と、地域医療構想で示される将来の医療需要と 各医療機能の必要量について、「協議の場」のメンバーで認識を共有。
STEP2.地域医療構想を実現するための課題の抽出
○ 地域の医療提供体制の現状を踏まえ、地域医療構想を実現していく 上での課題について、議論。
STEP3.具体的な機能分化・連携のあり方について議論
○ 例えば、ある構想区域において、回復期機能の病床が不足している 場合、それをどのように充足するかについて議論。
○ 現在、急性期機能や回復機能を担っている病院関係者等、都道府県 が適当と考え、選定したメンバーによって、回復期機能の充足のため、 各病院がどのように役割分担を行うか等について議論。
STEP4.地域医療介護総合確保基金を活用した具体的な事業の議論
○ STEP3で議論して合意した内容を実現するために必要な具体的事 業について議論。
○ 地域医療介護総合確保基金を活用する場合には、当該事業を都道府 県計画にどのように盛り込むか議論し、都道府県において必要な手続 を進める。
厚労省のHPにある地域医療構想に関する資料一部転載しております。
私は地域医療構想については詳しくはありませんが、各地区ごとに地域医療を創っていく必要性を強く感じました。
話の中であったのですが、地域によって死生観は大きく変わります。長寿県としてよく挙げられる沖縄県と長野県では中身は大きく異なります。
沖縄は戦時の大きな影響があり、残されたものはなんとでも生きるという風に思われています。ナンクルナイサ〜というのは、前に生きていれば、という前置きがあっての言葉だそうです。
だから、本人も家族も強く延命を望みます。そのため延命治療が多いです。また米軍医師による戦後教育の影響もあるそうです。
一方長野はPPKの多い県、延命治療は少ないようです。なので、75歳以上の健康寿命で差が出ます。
地域ごとに異なる死生観は国が主導では決められません。地域ごとに創り上げる必要性があります。
今回は死生観に関してではありますが、地域ごとに課題や特色文化歴史を加味した方向性の決定が急がれます。
桜井で長く在宅医療に関わられた先生方のご意見をお伺いしたいです。
今日の宇陀での在宅医療推進の会は非常に良い会でしたね。
桜井でもチーム桜井を創り上げたいと強く感じました。
まずは医療介護職のみなさんで気軽に話し合える場も必要でしょうか。そうしていくうちに商工会や銀行さん、住職さん、いろんな立場の人たちが交わり桜井という地域をみんなで考えられるようになればいいなと思います。
永源寺に負けないチーム作り、地域づくりをしていきましょう!
理学療法士 中川 征士
図書館4月、商店街5月 ご苦労様です。頑張ってください。
それともう一つ、話はかわりますが、医療裁判について述べさせていただきます。次のような変遷があります。以前は、医療過誤においては、患者様側が、医療従事者の落ち度を証明しなくてはいけなかったのが、民主党の某議員の積極的な働きかけにより、医療過誤においては、医療従事者側が自分には落ち度がなかったことを証明できないと裁判に負けるという風になりました。これにより、医療裁判は医療側がほとんど敗訴する結果となりました。このため、医療を行うのにあたり、医療過誤を意識するあまり、防護的な医療・検査がおこなわれるようになりました。
たとえば、大病院に元気に通院されているC型肝炎患者では、3か月毎、エコーや肝臓がんの血液検査をして、肝臓がんの早期発見に努めるのが普通。これが、高齢や、在宅療養をする方にとっては、肝がんの発見は、そんなに密にしなくても??特別養護老人ホーム入所者については、検査はしちゃいけないような風潮になっています。これについては、国のほうも、この風潮を容認し、賢くて、何もいわない。何か起これば、医師の責任にすればよいと考えているようです。とにかく、寝たきりになるほど、質の良い医療からはずれ、患者様を支えるだけの医療でよい。これでいいんだ。この辺を国民がしっかり認識・了解していただけるように。患者・ご家族様には、平素より、信頼関係をとっておくことが重要となってきているように思います。 当たり前のことですが、在宅医療こそ、患者様・ご家族様との信頼関係があってはじめてできる治療だと思います。 一部のクレーマー的なご家族にあたると、在宅医療であっても、必要最小限の医療については、困難な場合もあります。
木下先生
ありがとうございます。
医療裁判の話、最近医療訴訟も多いため大変参考になりました。
リハビリテーションの領域では、家族関係の構築が予後に影響するとの報告も聞いたこともあります。
平素より築き上げていく必要性を感じます。
またいろいろ教えていただければと思います。
よろしくお願いします。
中川
木下先生
ご丁寧にありがとうございます。
勉強になりました。どこも厳しくなりそうですね。
ー必要最小限
北欧での福祉はこの理念の元築き上げられていました。
特にほとんどの医療介護期間が公立であり、税金を使っているとの認識を皆が持っていたことも大きいです。
しかし、必要な人に必要なだけ、という理念もありきでした。
このような制限が多い政策には残念なところもありますが、どうにもこうにも、今後の人口動態をみても難しいところだと感じます。
地域資源の分業化を図り、効率的、経済的、だけど安心、と言える地域包括ケアの在り方を模索していきたいところです。
地域資源の活用ですが、図書館・商店街で認知症講座をさせて頂くことになりました。
図書館4月、商店街5月です。地域の力が必要であることも踏まえてお話しさせて頂こうかと思います。
終末期の在り方もまた難しいですね。
日本人にとって、死は遠いものになってしまったように思います。
現状を教えていただきありがとうございます。多種多様なあり方にリハ専門職として関われるよう努めます。
地域医療介護総合確保基金についてー国は医療から介護へ、施設から在宅へ、そして必要な医療は効率よく、この流れににより社会保障費の増加に足止めをする姿勢を明確にしております。この基金についても、この流れに合うもので、社会保障費を抑制するものなら、事業認可する方向です。
病床機能の報告制度については、病院側にかなりの負担があるようなことを病院と医師会の会議で上がっているようです。全てをビッグデーターとして国が把握して、効率化して診療報酬削減につなげる改定をどんどん推し進めていくようです。先週、各介護サービス担当者に向けて、「同一の事業所が、ケアマネと訪問看護を提供していた場合、減算対象とする」という国からの通知も、不必要な訪問看護を必要以上に、ケアマネがサービスプランを組ませないための策のようです。医療も介護も看護も、必要最小限。それにより、家族が抱える負担や不安はどんどん大きくなるように思います。
しかし、無い袖は振れない事情もあり、社会保障費の効率化・適正な配分と謳い、給付の削減政策はどんどん進むようです。
今後進める効率化により、サービスの隙間ができ、宇陀市の講演でもお話があったように、この隙間を埋めるのが地域力だと思います。
財政のゆとりのないところは、医療介護の総合確保基金を利用して、この地域力の充実構築を進めないと時代に乗り遅れた地域になってしまいます。
行政、遅れている市町村には、是非この制度をうまく使っていただきたいものです。医師会も、昨年に懲りず、事業申請しましたが、知事と医師会長の微妙な関係もあり、承認されるかどうかは?です。
最後に死生観についてですが、各家いろいろあるように思います。在宅で最後までとおっしゃって、最後に遠方の親戚が来て、方針が変わる方もいらっしゃったり、昨日の講演にあったように、看取りまで在宅でうまくいく例あります。
年末年始は近所に迷惑かけるから避けてやと言われ、連日往診するも、いつも娘さん1人しかいらしゃらない少し問題のあるケースもあります。地区の、地域の、県の、日本全体の終末期・看取りについての啓発啓蒙が進むことを願っています。