在宅医療勉強会 第13回 (桜井地区医師会)

在宅医療勉強会 第13回 (桜井地区医師会)を平成28年9月24日(土曜日)15時から17時 桜井市訪問看護ステーションさくら会議室にて開催しました。 6人の参加(内看護師2名)がありました。

在宅医療テキスト 第2章在宅医療の臨床課題の9排便障害10褥瘡11肺炎について読み合わせをしました

勉強会メモ

(1)9排便障害・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・オムツの支給について(介護保険外で各自治体の高齢者施策として行われている。)
高齢者紙おむつ等給付事業【桜井市の場合)
 在宅で、常時失禁状態のねたきり高齢者に対し、紙おむつ(紙おむつ、おむつカバー)を支給し、家庭の経済的な負担を軽減する制度です。<対象者>下記の3点すべてに該当する方が対象です。
1.市内に居住する「在宅」の高齢者(*入所・入院中は利用できません)
2.介護保険の認定が「要介護3以上」で、常時失禁状態にある人
3.市民税が「非課税の世帯」に属する高齢者を介護している家族
・オムツの種類 大きく分けてパッドとテープ止めがある。種類は多くあるが、入札業者が選ばれており、すべての種類が給付対象になるわけではない。
・便秘について センナ製剤は長年使用していると無効になることが多く、オリゴ糖やオリーブオイルなどを使用することも有効との報告がある。アミティーザはよく聞くも薬価が高い
・体圧分散寝具(マットレス)の申請について
介護保険の制度内利用であるが、基本要介護Ⅱ以上、(要介護Ⅱ以下であっても、主治医の褥瘡発生リスク高いとの内容の申請により適応となる詳細は以下の通り)

軽度者(要支援1.2、要介護1)に対する福祉用具の例外給付について

平成18年4月の介護保険法改正により、福祉用具貸与に対する給付規制がかかり介護ベッド(特殊寝台)や車椅子等の福祉用具について介護保険でレンタルする事が出来なくなっていました。

しかし、現行の規制では介護保険の適応外となった方々の中に、福祉用具のレンタルが必要であるにもかかわらず介護保険の給付が認められないという事例が数多く、介護保険改正からわずか1年という異例の速さで介護保険の見直しが図られました。

平成19年4月より、現行の例外給付に加え、新たに下記条件の軽度者に対し例外的に介護保険での福祉用具のレンタルを認められる事となりました。

車椅子については平成19年の改正に項目がなく、現行の例外給付が適応されます。
詳しくは軽度者(要支援1.2、要介護1)に対する福祉用具の例外給付について(車椅子編)をご覧ください。

例外給付の対象者
疾病その他の原因により、状態が変動しやすく、日によってまたは時間帯によって、頻繁に告示で定める福祉用具が必要な状態に該当する者
疾病その他の原因により、状態が急速に悪化し、短期間のうちに告示で定める福祉用具が必要な状態になることが確実に見込まれる者
疾病その他の原因により、身体への重大な危険性又は症状の重篤化の回避等医学的判断から告示で定める福祉用具が必要な状態に該当すると判断できる者

福祉用具が必要となる主な事例内容
事例類型 必要となる福祉用具 事例内容(概要)
Ⅰ 状態の変化 介護ベッド パーキンソン病で、内服加療中に急激な症状・症候の軽快・増悪を起こす現象(ON・OFF現象)が頻繁に起き、日によって、告示で定める福祉用具が必要な状態となる。
床ずれ防止用具
体位変換器
移動リフト
介護ベッド 重度の関節リウマチで、関節のこわばりが朝方に強くなり、時間帯によって、告示で定める福祉用具が必要な状態となる。
床ずれ防止用具
体位変換器
移動リフト
Ⅱ 急性増悪 介護ベッド 末期がんで、認定調査時は何とか自立していても、急激に状態が悪化し、短期間で告示で定める福祉用具が必要な状態となる。
床ずれ防止用具
体位変換器
移動リフト
Ⅲ 医師禁忌 介護ベッド 重度の喘息発作で、介護ベッドの利用により、一定の角度に上体を起こすことで、呼吸不全の危険性を回避する必要がある。介護ベッドの必要性を医師からも指示されている。
介護ベッド 重度の心疾患で、特殊寝台の利用により、急激な動きをとらないようにし、心不全発作の危険性を回避する必要がある。介護ベッドの必要性を医師からも指示されている。
介護ベッド 重度の逆流性食道炎(嚥下障害)で、介護ベッドの利用により、一定の角度に上体を起こすことで、誤嚥性肺炎の危険性を回避する必要がある。特殊寝台の必要性を医師からも指示されている。
床ずれ防止用具
体位変換器
脊髄損傷による下半身麻痺で、床位変換器ずれ発生リスクが高く、床ずれ防止用具の利用により、床ずれの危険性を回避する必要がある。床ずれ防止用具の必要性を医師からも指示されている。
移動リフト 人工股関節の術後で、移動用リフトにより、立ち座りの際の脱臼の危険性を回避する必要がある。移動用リフトの必要性を医師からも指示されている。

※ 介護ベッドとは介護保険法での特殊寝台の事を表しています。
※ 介護ベッドにはマットレス等の特殊寝台付属品を含みます。

例外給付の手続き

ア.「医師の意見(医学的所見)」に基づいて判断され、
イ.サービス担当者会議などを経た適切なケアマネジメントの結果を踏まえていることを
ウ.市町村が確認している
ものであれば、例外給付を認める

※ 例外給付の範囲が見直されたといっても軽度者における介護保険の適応が認められる福祉用具の規制が改正されたわけではありません。あくまでも例外的措置であり、例外給付の適応範囲は極めて狭く、給付に対する手続きも煩雑である事から区分変更(介護度を変更する手続き)を行なうほうがスムーズな場合もあります。

※ 介護保険を使っての福祉用具のレンタルは保険者(都道府県)が指定した福祉用具貸与事業者、または介護支援専門員(ケアマネジャー)にご相談ください。

(2)10褥瘡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・体圧分散寝具(マットレス)の選び方
介護ベットの選び方・体圧分散寝具(マットレス)の対象は基本要介護Ⅱ以上であるが、Ⅰであっても、褥瘡発生リスクの発生が高い場合は医師の申請書により適応となる。詳細はケアマネジャーまで
・介護保険の適応となるマットは低反発なものしかだめであるが、リオオリンピックで一躍有名になった高反発マットレス エアウィーブを支持する流派もある。(新しい褥瘡ケア  三好春樹著
・褥瘡の栄養状態改善にエンシュアやラコールが使用されているが微量元素が多く含まれているものにエネーボ ブイクレスαがある。これらを使用するときは、少し薬価が高いので、るい痩に加え亜鉛欠乏者などの病名を加えておく方が無難。
・褥瘡のポケット治療に病院などでよく行われるVAC療法(持続陰圧吸引法)がある。現在小型のものが出てきている。ただし診療報酬上在宅での使用は難しい。
・ドレッシング材使用に3週間を超えて使用しても問題ないとテクストにあるがこれは間違い。平成28年診療報酬改定で以下のように3週間を超えてはならない通達あり。

(53)皮膚欠損用創傷被覆材

ア】主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない。

イ】皮膚欠損用創傷被覆材は、いずれも2週間を標準として、特に必要と認められる場合については3週間を限度として算定できる。 また、同一部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。

ウ】皮膚欠損用創傷被覆材は、以下の場合には算定できない。

a】手術縫合創に対して使用した場合

b】真皮に至る創傷用を真皮に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合

c】皮下組織に至る創傷用・標準型又は皮下組織に至る創傷用・異形型を皮下組織に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合

d】筋・骨に至る創傷用を筋・骨に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合

<H28 保医発0304第7号>

 

(3)11肺炎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・経管栄養をしているかたに六君子湯をしようすると誤嚥が少なくなるのは、胃がこの漢方により少し大きくなるからとのこと
・高齢者の肺炎予防にニューモバックスが使用されているが、このワクチンは5年間しか有効でなくまたブースター効果がない。
アメリカではブースター効果のあるプレベナーを2回打って終生免疫とする対策をとりつつある

 

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