在宅医療勉強会 第14回 (桜井地区医師会)

在宅医療勉強会 第14回 (桜井地区医師会)を平成28年11月12日(土曜日)15時から17時 桜井市訪問看護ステーションさくら会議室にて開催しました。 7人の参加(内看護師2名)がありました。

在宅医療テキスト 第2章在宅医療の臨床課題  Ⅱ在宅時の急性期の課題 2脱水と電解質 3転倒と骨折 4せん妄 第3章在宅における治療技術 1抗菌薬の使い方 2.基節管理 3在宅人工呼吸療法 4経管栄養(途中まで)について読み合わせをしました

・独居老人の摂食不良による脱水対策として、ヘルパーさんの定期巡回にあわせ、ケアマネージャーさんによる指示で、月1回の訪問看護によるアセスメントをしていただくサービスを組み込むのが有効との意見がありました。このサービスの連携は、田原本ではすでに行っているとのことですが、その他の地区ははどうでしょうか?
桜井市では芝の里さんと訪問看護ステーションさくらすでに稼働しているのでしょうか?
独居で医療機関に通院しヘルパーサービスをうけているが、訪問看護にかかっていない方が急変される例が今後ふえてくるように懸念します。訪問看護に月2回行っていただくほどのことは必要ないが、月一回医療の目でアセスメントしていただきたい方がいます。
・H2ブロッカーがせん妄の原因になることがある
・認知症に対してタッチケアが有効(アロマ研修会より)
・経管栄養
加圧ポンプを使うと短時間で注入でき介護負担につながります

胃瘻の注入にラコールNF半固形300mlと加圧パックを使用すると介護時間の短縮につながります。
平成27年11月現在半固形栄養剤で保険適応とされているのは今のところこれのみです。
また液体と異なり、胃の蠕動運動を誘発しますので逆流誤嚥の機能があります

❶ラコールNF配合経腸用半固形剤をニプロ加圧パックと専用アダプタでの注入
  https://youtu.be/2OujRh1vPg0
  
❷ラコールNF配合経腸用半固形剤を専用注入器で注
  https://youtu.be/g6D3xZhc9eM
・カフ圧計は2-3万円
http://www.justis.as-1.co.jp/jus-tis/web/DirectSearch.aspx?shcode=8-1233-01

カフ圧と気管チューブの管理

  • カフ圧管理はどうすればいいのですか?
  • カフ圧は20cmH2O以上30cmH2O以下で管理することが推奨されています。その理由は、30cmH2Oを超えるカフ圧は気管粘膜の血流を阻害するといわれ、一方、20cmH2O以下の低圧ではVAPのリスクが高くなるという報告があるからです。

図2. カフ圧計

カフ圧を調節する際にはカフ圧計を用います。なぜならカフに注入する空気の量は、気道の形状やカフの大きさにより異なってくるからです。またカフ圧は時間経過などにより低下することから、定期的に確認します。そのタイミングに明確な基準はありませんが、口腔ケア前後や気管内吸引、体位変換などのベッドサイドでのケアとあわせて実施されていることが多いです。


  • カフ上部吸引とは何ですか?
  • カフの上に貯留した分泌物を吸引することです。

図3. カフ上部分泌物

図3のようにカフ上部にたまった分泌物は、時間とともに気管壁とカフの隙間から下気道に少しずつ垂れ込んでしまうので、落ち込む前に吸引する必要があります。

口腔や鼻腔からの吸引は解剖学的に困難で、無理にすると迷走神経を刺激して徐脈や不整脈など循環系への影響が懸念され危険です。カフ上部吸引によるVAP予防効果については、研究によると非吸引群に対し、カフ上部吸引群のVAP発生率は有意に減少すると報告されています。

図4. カフ上部吸引

図5. 頻繁なカフ上部間欠吸引の効果

Kees Smulders et al:A Randomized Clinical Trial of Intermittent Subglottic Secretion Drainage in Patients
Receiving Mechanical Ventilation.CHEST 121:858-862,2002


  • カフ上部吸引はどのようにすればいいですか?
  • 分泌物の吸引には、気管チューブに付属した専用ポートからの吸引を推奨しています。方法についての明確なエビデンスはありませんが、文献によると、シリンジで行う方法と低圧吸引器を用いる方法があります。シリンジの場合、5~10mlのシリンジで頻繁にゆっくりと吸引します。
    低圧吸引器を使用する場合は、100-150mmHg以下の圧で10秒位吸引し、20秒休止するなど頻繁な間歇吸引が推奨されています。吸引圧については一般的に気管内吸引時の圧も150mmHg以下と言われており、それを超える過剰圧でのカフ上部吸引は粘膜損傷や肉芽形成の危険性があります。
    カフ上部吸引のタイミングは、口腔ケアや気管内吸引を行う際にカフ上部の分泌物を下気道に落とさないようにするため、カフ上部吸引を行ってから実施するのが望ましいです。

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