認知症や虚弱高齢者を見るポイントについて

認知症や虚弱高齢者を見るポイントについて

NHK news WEB に「帰省で見つける親の変化」が参考になります

帰省で見つける 親の変化

この年末年始にふるさとに帰省する人も多いのではないでしょうか。
直近・平成22年の国勢調査によりますと、結婚している40代の8割が親と離れて暮らしています。
実は帰省は、高齢の親のちょっとした異変に気付き、生活環境などの改善につなげるチャンスです。
帰省の際、親のどのような変化に注目すべきか、生活情報チームの清有美子記者が解説します。

注意すべきポイントは?

帰省した際に親のどのような変化に注目すべきか、高齢者の生活環境に詳しい高齢者生活福祉研究所の所長、加島守さんは「以前はできていたが今回はできなくなっているなど、前回の帰省と何が違うかや、日頃見ることのない親の日常生活に注目する必要がある」と話していました。

そのうえで、注目するポイントは以下の3点だと説明してくれました。
1)動作の変化、2)日常生活がおっくうになっている、3)物忘れがひどくなる〜認知症の疑い〜、この3つのポイントについて詳しく説明していきます。

1)動作の変化

立ち上がる際に、テーブルを手で押したり、テーブルや壁を支えにしながら歩くのは、体力が低下しているサインです。
頻繁に支えにしている所には“手あか”がついていることもあるため、壁やふすまなどを見てみましょう。
また、立ったとき、歩くときによろめくなど、“ふらつき”にも注意が必要です。
加島さんは「体力の低下だけでなく、脳梗塞が多少でもあると、よけいにふらつく可能性が高くなるので、頻繁にふらつく際は病院で受診する必要がある」と話していました。

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2)日常生活がおっくうに

続いて、2つ目のポイントです。
もともときれい好きだったのに、洗った洋服を置きっぱなしにしていたり洗った食器を食器棚などにしまっていなかったり、また、買ってきたものをそのまま床に置きっぱなしにしていたりする。
お風呂が好きだったのに、「汗をかいていない」「疲れている」など何かと理由をつけて入りたがらない。
こうした、日常生活でおっくうがる場面が増えたら注意が必要です。
加島さんによると、例えば高い所に収納するのがつらくなった、足が痛くてしゃがめないなど、体の衰えや痛みが原因の場合もありますが、もともときれい好きだった人がおっくうにすることが増えた場合、「老人性うつ」など精神面での疾患の疑いがあるということです。

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3)物忘れが目立つ〜認知症の疑い〜

そして、3つ目のポイントです。
しょうゆやみそなど使いかけのものがいくつもあり、同じ物を何度も購入した形跡がある、同じことを何度も聞いたり言ったりする、薬の飲み忘れが増えるなど、物忘れがひどくなっている。
昔から食べなじんでいる“おふくろの味”が明らかに変わっている。
こうした変化は認知症の疑いもあり、「物忘れは年のせい」と流さないようにすることが大切です。

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親の変化どう対応?

身体面で親の変化に気付いた場合は、▽室内の段差をなくす、▽手すりをつける、▽支えにしやすいように家具の配置を変えるなど、暮らしやすいよう住まいの環境を見直すことが大切です。
高齢者の転倒は骨折につながり、重篤になりやすいからです。
また、認知症の疑いがある場合は、専門医に早くかかる必要があります。
認知症とひと言で言ってもアルツハイマー型や脳血管性など種類があり、薬や治療法が異なるからです。
認知症介護研究・研修東京センターの本間昭センター長は「本人の治療のためだけでなく、自分の親が認知症であることを受け入れる時間も必要なため、専門医に相談するのは早ければ早いほうがいい」と話していました。

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気遣う心を大切に

親の老いに気付いても、それをどう伝えるか、相手に理解してもらうことも欠かせません。
“老い”は本人がいちばん感じていることなので、久しぶりに帰ってきて一方的に言われたら親もいい気分はしません。
まずは会話の中で最近の体調を尋ね、本人や家族と今後の生活について話し合ってみてはいかがでしょうか。
誰もがいつかは直面する親の“老い”。
今回の帰省は、「親が年をとったな・・・」と思うだけでなく、ぜひ変化に目を向けて、気遣うきっかけにしていただければと思います。

 

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