大福地区の独居の方からの往診依頼について

大福地区及びその周辺ですが、以前より独居の往診依頼はあります.様々なケースがあり、一概にはいえませんが、以前に比べ、早めに「ゆくゆくは往診してもらわなあかんからな…」といって(紹介状もなく、患者さん自身の判断で)受診されるケースが続いているような印象です(^_^;)

A)絶対に在宅!施設や病院には行かん.
B)この先、どうしようか…と不安
C)家族も身寄りもなく…
D)経済的に厳しくて…

A)の場合、対応に困ることもありますが、ガッチリと関わって下さるケアマネージャが入れば、かなりのことが在宅で行えるように思います.場合によっては、「在宅での独居の看取り」も範疇に入ると思っています.

B)の場合、早めの介入が必要で、数年後にやってくる危機に備えて早めの対応が重要だと思います.なかなか煮えきりませんが、本人自身も不安を抱えているケースが多く、遠方に住むの家族とのコンタクトも早めに越したことはないと思います.家族が住む場所に引き取ることを考えているケースもあり、段階を踏まえた対応、交通整理ができればそれでよいということもあります.

C)の場合、家族機能を果たす人たちを、早めの段階からつなげていくことが最も重要ですね.ケアマネージャしかり、訪問看護師しかり、ヘルパーしかり… 最近、ガッチリと関わってくださる信頼されたヘルパーさんたちの活躍ぶりに驚かされることも少なくありません.最終的にA)になっていく場合もありますし、施設入所の手続きばうまく進む場合はありがたいです.グループホームは、費用的になかなか進みにくいこともありますが、小回りの効いた臨機応変な対応を取ってくださることが多く、助かっています.

D)の場合、生活保護などを受けられる場合はいいのですが、そうでない、ギリギリな方の場合が本当に困ります.必要なサービスが入らなかったり.逆に病状によって入院した方が生活費全体が抑えられることもあったり…

大福地区に限らず、日本、津々浦々、独居虚弱高齢者を支える地域力…高めて行かなくてはなりませんね.

「大福地区の独居の方からの往診依頼について」への5件のフィードバック

  1. 大変貴重なご意見有難うございます。
    最近、慢性呼吸不全急性増悪の方で、入院時に夜間せん妄がひどくなり、家族の付き添いも十分できなくて、退院された患者様がいらっしゃいました。自宅に帰ってせん妄改善、呼吸不全についてはHOTとステロイドと室内保温加湿で改善。
    おそらく、病院側も、せん妄の対応には苦慮する症例もお持ちなんだと思います。病院から付き添いを依頼されても、お仕事とかの関係でご家族様が十分付き添えないかたもいらっしゃいます。
    先生のご提案、「地域の機関病院と地域のボランティアを結ぶような仕組み」桜井市の分科会や、中和病院との病診連携会議で紹介させていただいてよろしいでしょうか?コメントで埋もれてしまうのはもったいない意見なので新規投稿としてタイトルを挙げて、多職種の方にもご意見を募りやすいようにさせていただきます。

    1. せん妄の非薬物療法の重要性はいうまでもありませんが、家族の付き添いなどは…確かに困難だと思います.できるところばかりではないと…
      そもそもリスクの高い方は、なるべく在宅、地域で粘ることも重要なのかと感じます.一口にいうことはできませんが、十二分に高齢で、基礎疾患もあった方が急変した場合、たとえ入院適応があったとしても、入院した場合も、限られたリソースの中在宅でみていった場合も、本当にどちらがいいのか悩む場合も少なくありません.受ける側の病院としても、非常に苦慮されるのではないかと感じております.地域包括ケアの視点は、そういった地域全体の医療問題を踏まえると、より一層、有用性が高まるのではないかと感じています.

      「地域の基幹病院と地域のボランティアを結ぶような仕組み」は、決して私自身のアイディアではありませが、すばらしい試みではないかと考えております.
      http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02950_02 のサイトも紹介されておりました.
      ご紹介いただけましたら幸いです.

  2. 有難うございます。大変参考になりました。ガッチリと関わってくださる信頼されたヘルパーさんたち・ケアマネさんたちが活躍されていることを知って少し安心もしました。が、今後いかに更に地域力を高めるか、またご意見よろしくお願いいたします。先進的な地区では、民生委員や高齢者ボランティアの方も、大きな地域力になっているようです。いろんな方々の前向きな意見をいただいて、行政と密に連携して地域力を高めていければと思います。

    1. 少しズレる話で恐縮ですが、今日のカンファレンスで入院患者さんのせん妄が話題になりました.虚弱高齢者においては、せん妄を起こすほどに予備力が少ないということもあるのですが、機能障害を残したり、予後は決してよくありません.その非薬物療法として高齢入院患者への「ボランティアによる談話」が発症予防、軽傷化に有効とのことでした!
      こういう視点で地域の機関病院(例えば済生会中和病院)と地域のボランティアを結ぶような仕組みができれば、病院にとっても大きなメリットになるような気がします.またそういった視点を持つ市民が増えるということは、地域にとっても有用だと思います.

      リソースの限られる地域においては、医療機関や介護事業所だけでなく、市民も巻き込んだ包括的なつながりを広げていく必要があると思います.このSNSに参加させていただいたこともあり、カンファレンスに参加しながら、そのようなことを考えておりました.
      先進的な取り組みはいろいろあると思いますが、桜井のこの地でできることに取り組んでいきたいですね!

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