リハビリテーション専門職 活用のススメ

理学療法士の中川です。

先日、三重県松坂市医師会主催の医療介護連携勉強会にて理学療法士によるリハビリテーション専門職活用のススメというテーマで話がされましたので、その紹介をさせて頂きます。

‣多職種連携

医療介護領域での連携は専門性も各々異なり、言語すら共通でないことから多職種連携は難しいとされています。また専門性の異なる職域では何がどのようになされているのかの把握が難しいかと思います。

『けいこ春分を知らず』

蝉は夏しか生きないため(春秋を知らないため)、夏すら知らないという孔子の有名な言葉がありますが、私に置き換えてみると、理学療法士しか知らないということは理学療法士すら知らないということになります。多職種連携においては他職種を知ることから始めることが最も効果的とされています。

‣リハビリテーション専門職 活用のススメ

リハビリテーション概念は誤訳されているといわれます。

欧州ではリハビリテーションというと自立支援・社会復帰という意味合いで用いられ、リハビリテーション=訓練という風にとらえられている方はいません。日本におけるリハビリテーションは理学療法士法と共に導入されたため、訓練、運動などと混同し、誤訳されてしまったようです。

本当の概念は『その人らしく生きるための権利の獲得』です。

そのため、海外では刑務所からの出所や裁判による無罪の獲得、政界復帰もリハビリテーションと言われ、新聞報道されます。

有名なのはフランスのオルレアンの乙女、ジャンヌダルクのリハビリテーション裁判です。

医学領域におけるリハビリテーションというと理学療法士・作業療法士だけで取り組むものではなく、すべての職種で患者・利用者の『その人らしく生きる権利の獲得』を行う必要があります。

その中で理学療法士は予後予測に基づく基本動作(起き上がり動作や立ち上がり動作、歩行)の獲得、生活支援の手法(福祉用具の選択調整、各動作の方法)の提示を行います。

作業療法士も同様に予後予測に基づく、生活行為(食事、更衣、整容など)における手法の提示を行います。

これら自立支援を目指して行うことで患者・利用者の生活上の支障を少なくし、家族・介護者の負担を軽減し、結果的に介護度を下げることにつながります。

リハビリ、というとマッサージやきつい訓練をイメージされる方がいるかもしれませんが、それらはあくまで手段であり、目的ではありません。

ICFに基づき、活動参加までを焦点にした介入をするのが理学療法士・作業療法士です。

以下資料は厚労省のHPにある資料です。活動参加を焦点にしたリハビリテーションアプローチの例と高齢者におけるリハビリテーションの内容を示したものになります。

スクリーンショット (48)

スクリーンショット (47)

‣まとめ

多職種連携は他職種を知ることから始まる

リハビリテーション専門職 活用のススメ

目的は『その人らしく生きる権利の獲得』⇒自立支援や社会復帰

手段は『予後予測に基づく生活支援の手法の提示』⇒基本動作や日常生活動作上の支障を軽減、福祉用具などの選択調整

 

簡単な説明ではありますが、このようにリハビリテーション専門職を活用いただければと思います。

また様々なご意見を頂ければと思います。

理学療法士 中川

「リハビリテーション専門職 活用のススメ」への2件のフィードバック

  1. それと 暖かくなったら、田畑が、サロンの場になる興味深い取り組みをもまた、紹介投稿ください。 木下

  2. 中川先生

    恥ずかしい話、最近までリハビリ=訓練 運動 と考えておりました。自立支援 社会復帰 社会参加を目標としていることは、学生時代 講義でおそわった記憶があります。中川先生の取り組みを見て特に実感します。
    また、昨日は、お仕事の後お越しいただいて有難うございました。朝倉台自治会が、公民館を1日3回も使って、ほぼ毎日年間約1000回もサロン活動を展開されていることを〜教えていただき有難うございます。これで、桜井市の要介護認定率が18%の所 朝倉台では12%と桜井市で第1位の成績を出していることがよく理解できました。

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