「死の質(QOD)」日本は14位 がん対策見直しで上昇

英誌「エコノミスト」の調査機関は18日までに、緩和ケアや終末期医療の質や普及状況に基づく80カ国・地域の「死の質」ランキングを発表した。日本は14位で、政府のがん対策見直しなどが評価され、前回2010年の23位から上昇した。1位は前回に続いて英国。最下位はイラクだった。 ロンドンを拠点とする「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」が、各国のデータや専門家への聞き取りに基づき、ケアの質、医療・介護職の豊富さ、患者の費用負担など五つの領域について数値化した。

(共同通信)

 

人生の終末期を安らかに過ごすことができるのはどの国か?。各国の状況を調査し、ランク付けした報告書が発表された。資料写真。
2015年10月7日、人生の終末期を安らかに過ごすことができるのはどの国か?「QOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)」がうたわれるようになって久しいが、このほど「QOD(クオリティ・オブ・デス/死の質)」について各国の状況を調査し、ランク付けした報告書が発表された。

「2015年 死の質ランキング(The Quality of Death Index 2015)」は、英経済誌・エコノミスト傘下の調査機構エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表したもの。世界80カ国を対象に、終末医療をめぐる環境と、これを支える人材の充実や負担力、サービスの質、社会的参与の度合いなどを基準として決められる。

上位20カ国は、欧米・アジアの先進国がほぼ独占している。今回のトップ3は英国、豪州、ニュージーランドだった。英国は2010年の前回調査でも首位。アジア諸国で最上位にランクされたのは6位の台湾で、12位のシンガポールがこれに続く。日本は14位、中国は71位、香港は22位、韓国は18位だった。

台湾が高い評価を受けた要素には、台湾が緩和ケアなどの終末医療における法体制を世界に先駆けて施行した地域である点が挙げられる。台湾では2000年に「安寧和緩医療条例」が成立している。これは臨死状態に陥った際の医療措置について、個人個人があらかじめ意思表示をすることで、治療方針や死の迎え方を自由に選択できるものである。医療機関はこれによって患者の蘇生措置や延命措置を必ずしも行う義務がなくなった。また、終末医療や緩和ケアにおける全面的な研究や人材教育が行われ、質の高いサービスが提供されている点も評価されている。

アジア主要国の順位は以下の通り。

6位・台湾
12位・シンガポール
14位・日本
18位・韓国
22位・香港
28位・モンゴル
38位・マレーシア
44位・タイ
53位・インドネシア
58位・ベトナム
67位・インド
71位・中国
76位・ミャンマー
78位・フィリピン(翻訳・編集/愛玉)

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